精神科病棟居住系施設の問題について

☆署名活動のご報告と署名のお礼

 昨年秋から精神科病棟を居住系施設に転換する問題が急に浮上し、何故施設ありきなのかという気持ちで大変驚きました。当事者主体ではない議論がどんどん進められていくことに強い危惧間をもっていました。どうなるのかと動静をみていましたが、反対運動にも関わらず、国は今年7月1日にこの施設建設を容認する報告書をまとめたのです。
 これを受けて、私たちは病院内への退院や地域移行させる方策に反対し、施設建設に反対の意志を示そうと、7月に精神障がい者も病院ではなく地域で暮らしたい信州ネットワークを発足させました。構成員は、NPO法人ポプラの会、長野県ピアサポートネットワーク等の当事者団体と、家族会、支援者(個人・団体・法人)です。
 8月より、署名活動を始め、一か月余りで、以下の数の署名を頂きました。
長野県知事あて 団体署名 91筆
個人署名 766筆
長野県議会あて 団体署名 88筆
個人署名 717筆
2014年10月9日訂正
短い期間に大勢の皆さまのご署名を頂き、また、励ましのお便りやご寄附も頂きましたことに皆が勇気づけられました。心よりお礼申し上げます。
 (ご寄附頂いた内容は、後日、改めてご報告申し上げます)

☆陳情・請願・記者会見のご報告

◎ 平成26年9月24日に、上記の署名用紙を携えて、ポプラの会より上記ネットワーク代表の山本悦夫さん、池田隆英さん、穗苅由香里さん、大堀尚美の4名が長野県に陳情、請願に行きました。
◎ 同日、午前10時30分から県庁での記者会見に臨み、山本さん、穗苅さん、大堀が、精神科病院内の敷地に、精神科病棟居住系施設(住む場所)を建設し、そこに社会的入院をしている人たちが暮らすことに反対の意見を述べました。
◎ 長野県に対して、この施設建設の試行事業を中止して欲しいこと、国に対して反対の意見書の提出、地域生活を支える総合的施策の充実を陳情しました。
 上記信州ネットワーク代表の山本さんが、長野県健康福祉部長小林透氏に陳情書を手渡し、請願の内容を説明しました。この精神科病棟を住む場所に転換させる施策は、施設建設の問題にとどまらず、精神障がい者が地域で生活することの根幹に関わる重大な問題でもあり、人権問題であると捉えています。出席者がそれぞれの立場から、この問題の見直しをして欲しいことを伝えました。
◎ 小林部長の回答は、「長野県としても、大きな方向性としては地域化を考えている皆さんと同じ」「地域の受け皿はまだ十分ではないので、これからも努めていく」「厚生労働省検討会などの情報収集をしながら、皆さんのご要望を聞いて考えていく」とのことでした。 

☆今後について 請願・意見陳述

◎ 請願と課題

現在、県議会各会派より、紹介議員の署名を頂き、県議会(以下委員会)でこの問題を議論してもらう予定です。
 10月3日には全会派より紹介議員のご署名を頂きました。

◎ 意見陳述

 10月14日午後1時30分より 県民健康福祉部委員会で意見陳述があります。
 社会福祉法人絆の会事務局長、NPO法人ポプラの会顧問、の大池ひろ子氏と、ポプラの会事務局長、長野県ピアサポートネットワーク代表の大堀尚美が意見陳述をし、県議会でも、この問題を取り上ることの重要性と、私たちが反対する理由と願いを述べます。
この委員会で請願内容が採択されるか否かが決まります。
 その結果は、県議会本会議最終日に報告されます。
 尚、どなたでも傍聴もが出来ます。

    
    場所と集合 長野県庁議会棟二階会議室 
            13:00傍聴者控え室に集合 
            13:30〜17;00 県民健康福祉委員会  13:30〜口頭陳述
    傍 聴    自由で、どなたでもできます。
 
 速報! 本日(10月15日)、「精神障がい者も病院ではなく地域で暮らしたい信州ネットワーク」の長野県議会請願が全会一致で採択されました!!

◎ 記者会見原稿

 記者会見で述べた発表内容(穗苅さん、大堀発表文章)を掲載させて頂きますので、お読み頂ければ大変幸いです。        

          大堀発表文章はこちら⇒(PDFファイル)

          穂苅発表文章はこちら⇒(PDFファイル)

◎ 私たちの願い

 この運動が表面化するまで、精神科病棟が他国に比べて多数あること、10年以上入院している人が、8万人とも10万人とも言われていること、精神科病棟を居住系施設に転換することに対して何故当事者が反対するのか。知らない方が大多数でした。
 建設されることが分かっても、「何故いけないの」ということを周りの方々から沢山聞いています。でも、地域で暮らしている私たちが、「病院ではなく地域で回復したこと」「地域で暮らせる幸せ」を感じるからこそ、この問題を安易に考えられないのです。
 先ず、地元で。長野県でもこの施設を容認できないという趣旨で、精神障がい者も病院ではなく地域で暮らしたい信州ネットワークが発足しました。
 人権問題として、広く知って頂くことも大切だと考えます。
 長野県のみならず、他の都道府県、地域でもこの問題が議論され、精神障がい者も地域で安心して暮らせるための議論のきっかけになればと願っています。  
 そして出来れば、各地域からあがっている声が国に届いて、「病院内への地域移行・退院」ではなく、治療が終わった人は地域へ戻っていかれる施策の実施に力を注いでほしい強く願っています。                   (文責 大堀尚美)


☆精神障がい者の病院ではなく地域で暮らしたい信州ネットワークで、長野県へ陳情・請願・記者会見に行ってきました。         

平成26年9月24日 於 長野県庁

2014年9月24日
 県庁で陳情・請願に先駆け記者会見



県知事への陳情の署名


長野県健康福祉部長に署名を手渡し構成団体より
11名で陳情

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